まん☆たつ
〜『まんがの達人』でまんがの達人になってみる。〜

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●第3号

 うちの店のバイト君(20歳)は、漫画の専門学校に通っております。2年コースで、この3月に卒業。彼もまた、このまん達を定期購読にしました。その彼が言いました。
 「この本は、学校では教えてくれないことを詳しく書いてある、非常にいい本だ。なんで2年前に刊行されなかったんだろう。授業料を損したかもしれない」
 えー‥‥。
 バイトに来て2年、長い付き合いですが、まさかこの子がこんな気の利いたジョークを言える子とは知りませんでした。

 それではお待ちかねの第3号。
 今号にはバインダーが付いています。これでようやく、これまでごちゃごちゃしていたのをひとまとめに出来るようになりました。
 店頭では、バインダー付きの本誌は安定が悪いので、陳列ケースが付いてきています。
 書店員のわたくし、発売日にはそのケースを開けて、ケースの組み立てをしておりました。
 そのケースに書かれていたこと。

 創刊号が増刷中ですってよ。よかったね。
 どうやら聞いた話では、44万部完売だとか。どのくらいの数字かよく分かりませんが。
 日本雑誌協会でちょいと調べましたところ、近いところでは『潮』が45万部、こんなもんでしょうか。比較としまして『週刊少年ジャンプ』は277万部。もっとも読者層がシンクロしているであろう少女向けコミック誌で近いところは『なかよし』40万部、ですな。と言いながらも、ここのデータはどうやって見たらいいのか分からない。この部数は調査期間がいつからいつまでなのか。年間トータルとか言われたら、もうワケ分からん。
 ちなみに、今日もお客さんから創刊号の取り寄せを頼まれました。で、注文したら、3月末重版出来、4月頃搬入になるようです。
 そろそろ頼んだ人も熱が冷める頃でしょうな。
 あと、全然関係ないんですが「重版出来」は「じゅうはんしゅったい」と読む。でもわしも、他の従業員も、取次の人も版元の人も全員「じゅうはんでき」と言ってる。

 さて、バインダー。
 これまでアオリ文で半分以上隠されていた表紙絵が、拡大されてはっきりと見えるようになりました。
 よーく見ると、結構いろんなところがアレ。
 服の袖口まわりとか、改めて見たらテキトーに描いてんのな。

 ではでは内容の方に移りましょう。
 今回は、ペンの持ち方使い方、ペン先の角度についてなど、いよいよ基本の基本に入りました。
 このへんが、たぶん上記のバイト君が言っていた、専門学校では教えてくれない部分でしょうな。
 漫画を描くことになれている人には今更のことでも、このコレクションははじめて漫画を描きまスという初心者対象です、そうそう、こんなとこから始めてくれなくっちゃ。
 あとはトーンシートの種類についていろいろと。
 背景トーンの解説の所にある「本来はまんが家が描くべきものですが、作業の時間短縮のためや、イラストが難しくて描けない素人のために作られたトーンシートです」という一文がなんとも辛辣です。

 では、絵の描き方一般講習へ。
 前回ペン入れまで終わらせた、男の子の顔を仕上げます。
 ベタ塗ってトーン貼ってホワイトして、できあがり。

 わたくしも描いてみましたが、前回の絵は小さくて作業がしづらかったので、大きめに描き直して改めて描いてみました。
 顔が歪んでんのはスルー。
 こんな感じで。
 いやー。デザインカッターが使えませんな。髪の毛のギザギザに合わせてカットが出来なくて、最後諦めた。
 ホワイトはまだ道具がないので、ナシ。

 ところで作業している解説の写真。
 前髪・鼻・顎の部分にトーン貼るのに、顔全体覆うサイズに合わせて用意させていたのがなんとも勿体ないと思いました。

 同じように女の子の目も仕上げます。
 わたくしの方は省略で。

 そして次は、男の子の手を描く、とな。存在感のある温かみを表して下さいネー。

 はい、こんな感じ。
 男の子の手、というよりはオッサンの手みたいですけどね。まあいいや。
 今回も下書きで終わりです。たぶん次号で仕上げかと。

 で、その次号の付録なんですが。
 練習用原稿用紙と、雲形定規ですね。
 その原稿用紙ってのが、白紙じゃなくて、どうもこれまでの課題にあったサンプル絵をなぞるようになってますね。
 なので我々は正しくは、4号までの道具を揃えた後に、1号から4号までの作業をしなければならなかったのでしょう。
 本を買ってからすぐにその号の課題をやってしまうのは性急なのですね。
 のんびり行くのですよ。だって2年半かかりますからね。

 絵は以上で終わり。次はストーリーです。
 発想のトレーニングとして出された課題に答えてみましょう。

 サンプルとして、写真があります。
 キッチンを挟んで、笑顔で向かい合っている男女の写真です。
 コレを見て、ストーリーを作ってみましょう。
 

STEP1:ジャンル、国、時代を考える
ジャンルは?/国は?/時代は?/時間は?/場所は? 

 えーとね。じゃあジャンルは日常ほのぼのコメディ。国は日本。時代は平成の今。時間は朝食タイム。場所は近所。こんなもんで。
 そして解答例。ジャンルはSF。国は日本。時代は2100年。時間は朝の6時30分。場所は研究所の実験室。日本の領海内にある小さな島に、極秘に建てられた研究所。そこでは優秀な科学者たちが最新設備を使って研究をしている。写真の実験室では、この時代の一般的な人々の生活を再現している。だそうです。

STEP2:左の女性のプロフィールを考える
名前/年齢/職業/性格/趣味/現在の悩み 

 えーとね。広島亜希子。25歳。地元情報誌の編集者。明るくて気さく。趣味は食べ歩き。悩みは太り気味なこと。

 解答例。立花カオル、アンドロイド開発科学者

STEP3:右の男性のプロフィールを考える
名前/年齢/職業/性格/趣味/現在の悩み 

 じゃあね、広島貴文。25歳。

 解答例。山田タイプアンドロイド5型

STEP4:ふたりの関係を考える
ふたりの関係/ 

 まあ夫婦かな。

 解答例。開発者と試作品

STEP5:このシーンの後、どんなことが起こるかを考える
この後起こる事件/ 

 解答例。
 立花カオルのライバルの科学者である大木光太郎が作った木村タイプアンドロイド6型と、山田タイプアンドロイド5型が、創作料理で対戦することになる。(中略)前代未聞のSFグルメ対決が始まろうとしていた‥‥。

 解答例がなんとも壮大なストーリーになっていったので、ついそっちに気を取られて、自分の課題が出来ませんでした。スマヌ。

 と、まあ、こんなふうにトレーニングしていくのですよ。頑張ってね(ヒトゴト)。

 さてさて。
 巻末に、気になるお知らせがありました。

 『「まんがの達人」コミュニティが第4号から遂にスタート!』

 ほう、何か始めますかアシェットも。こりゃ楽しみですな。
 たぶん江口も出入りします。正体を隠して。
 詳しくは次号からというので、楽しみに待つことにしましょう。

 ではでは。

 →4

 

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